
水耕栽培の「苗を支える方法」
土を使わないはずの「水耕栽培」ですが、中にはどうも野菜の苗が「土」のようなものに埋まっているように見える水耕栽培プランターがある。うーん…土、使ってるじゃん?
水耕栽培にとって重要なポイントになりますので、少し勉強してみましょう。
水耕栽培の培養土は「土らしきもの」

ハイドロカルチャーでみかける培養土。これはいったい何でしょう?
答えは「土(?)」。
ただし、養分や微生物はゼロの土の素。
地面や畑の「土」はいろいろな物質や泥や微生物が混ざった状態の総称で、上の写真の「土(?)」は特定の物質だけを集めた物。このサイトでは地面の土と区別するために『培養土(ばいようど)』と総称します。
『培養土』は総称なので、軽石を砕いた物や発酵させた落ち葉やおがくずなど、建築素材や土壌改良のために使われる天然素材。
水耕栽培では混合して土壌を作るのではなく、苗の固定と保水を目的に使います。
水耕栽培でよく使われる苗床素材
バーミキュライトの特徴

軽い木のくずのような粒の粗い粉状の素材です。蛭石(ひるいし)を高温で焼いて、多孔質、粒状にしたもの。
バーミキュライトはきわめて軽く、通気性・保水性・保肥力に優れた無菌の基本用土。濃い茶色と光沢のある肌色のチップが混ざったような特徴のある培養土です。
ハイドロボールの特徴

「ハイドロボール」自体はメーカーさんの商品名。
コロコロとした丸い球でレカトンとも呼ばれていて、保湿性のある「陶器」のようなものでそれ自体が湿ってくれるため、水耕栽培の苗床には適しています。
高温で焼成しているため雑菌や悪臭がない球状の素材です。
パーライトの特徴

石を細かく砕いたような真っ白の無機物。真珠石を細かく砕いて高温処理した、多孔質で軽い人工砂礫です。
指で潰すと白い粉のようになるほど多孔質の石ですので、粒を踏んだりすればどんどん粉化してしまいます。
水耕栽培で使う培養土
水耕栽培用途では液体肥料の水質や栄養分を汚染するので上述の素材がおすすめ。砂も支持体になりますが、海の砂は塩分が植物を枯らすので使わないようにしましょう。
培養土を使わない自作苗床土台

苗木の苗床・支持が目的なので、培養土を使わない水耕栽培苗床土台を考えて自作してみました。このサイトのオリジナルアイデアです。
材料はダイソーにあった100円商品の「鳥よけネット」なる商品。
自作・加工の様子は下記のページにてご紹介。

脚があり、穴が開いている雑貨をプランターに合わせてカットし、苗をスポンジで包んで宙づり体勢を確保したもの。苗が成長して重くなっても引っかかって落ちにくいように裏側にナイロンの網を噛ませています。
こんな感じでベランダ家庭菜園の水耕栽培はうまくいきます。
苗の宙づりのアイデアページ
家庭菜園×水耕栽培 Key Points
- 培養土は苗を支持する苗床素材
- 苗を宙づりに維持できれば何でもOK
粒子が細かい培養土は、ネットでは網の目から流出してしまうため、お茶のこしパックなど根の伸びが阻害される素材で包み込むなどの工夫が必要です。使えるアイデアは取り入れてベランダ菜園を楽しんでみてくださいね。