
野菜の種子を買って種から育てる家庭菜園
家庭菜園の水耕栽培を始めようとする時に、ホームセンターや園芸店で野菜のタネを買う場合があります。通常の野菜はタネから発芽させますが、イチゴのように苗しか流通していない植物もあります。
このページは種を蒔いて発芽させる野菜のお話。何日経っても芽が出てこない時、このページの基本知識を再チェック。
なお、種を蒔いて発芽させる種まきのことを『播種(はしゅ)』と言います。
通常「水・光・空気・温度」が必要

植物の種子の発芽に必要な一般的条件
一般的な植物の発芽に必要な要素は以下の通り。
- 水
- 温度
- 光
- 空気
【水】
発芽に必要な条件はまずは水…水分が必要。
この段階の種子の中には発芽のためのエネルギーが詰まっているので、肥料(液体肥料)は要りません。水道水で発芽は可能です。
【温度】
発芽には適温があり、それぞれの植物の発芽可能な温度は異なります。
野菜の種のパッケージには発芽の最適温度を地域の季節の気温を当てはめて「蒔きどき」が書かれています。
タネの目覚め(発芽)には適温があり、寒冷期には芽が出てくれません。
【光】
光を当てると発芽しやすい植物と、光を当てると発芽しにくい植物があります。通常は暗闇に置かず、普通に部屋に置いて発芽を待ちましょう。
好光性種子と嫌光性種子について下段で解説します。
【空気(酸素)】
種に水が必要だとしても、水没させたままでは腐ってしまいます。適度に空気(酸素)に触れていなければ種子は発芽しないので、酸素を呼吸させてあげる状態を心掛けて発芽させてあげましょう。
光を好む好光性種子

発芽の際に、明るい光がある方が芽が出やすい野菜や植物のことを好光性種子(こうこうせいしゅし)と言います。好光性種子(こうこうせいしゅし)・明発芽種子(めいはつがしゅし)とも言います。
葉物野菜は発芽の際に光を好むようで、土栽培などでは種まきのあと、土を軽くかぶせる程度でOK。
水をかけておけば芽が出てくる植物の種ですが、知識の中に加えておきましょう。
好光性種子の野菜
レタス、シソ、セロリ、インゲン、ニンジン、シュンギク、ミツバ、いちごなど。
葉物野菜は好光性種子。土栽培などでは種まきのあと、土を軽くかぶせる程度でOK。
埋めると発芽する嫌光性種子

結実系の野菜の中には、光が当たっていると発芽が抑制される種子があります。嫌光性種子(けんこうせいしゅし)という性質のタネで暗発芽種子(あんはつがしゅし)とも言われます。
自然界では鳥などに果実を食べてもらい、遠くに種を運んでもらうことに適応している植物もあり、単にタネが果実が落ちて土の上に露出した時に発芽してしまうだけだと、密集して土の栄養の奪い合いになってしまうだけになってしまいます。
嫌光性種子野菜は苗木の周りですぐに発芽せず、鳥の体内で発芽準備を整える「果実・果肉」系の植物に多いです。
嫌光性種子の野菜
トマト、きゅうり、ナス、ピーマン、ダイコン、ネギ、タマネギ、かぼちゃ、スイカなど
果実系野菜は土がかぶさる暗さがお好み。水耕栽培の時は窓際やベランダではなく光が当たらない場所で発芽を待ちましょう。
エアーポンプを使う理由
家庭菜園×水耕栽培 Key Points
- 発芽には水・温度・光・空気が必要
- 葉物系は明るい場所でタネ蒔き
- 果実系は暗い場所でタネ蒔き
発芽~数日までは水道水でOK。好光性と嫌光性のタネがあること。水没させたままでは発芽しない。…というのがこのページのポイントです。