
葉物野菜の水耕栽培プランター
ベランダ家庭菜園で水耕栽培を始める時には、植木鉢であるプランターが必要です。プランターの選び方は収穫する野菜によってある程度ベターな形状があるので、水耕栽培プランターを購入する人も、これから自作する人も事前に予習してみましょう。
土の家庭菜園で考えた時の「植木鉢か花壇か」…の水耕栽培バージョン。
平面据え置き型の水耕栽培プランター

結論から言えば「葉物野菜は浅底平面プランター」を採用するとわさわさ収穫できるよー、というお話。
トマトやピーマンなどの縦に伸び実を育てる必要のある野菜と違い、葉物野菜は根が浅く、花を咲かせる必要はないので平面に広いプランターを用意すると効率良く栽培・収穫することができます。
上の写真は底の浅い衣装ケースを液体肥料の受け皿とした自作プランター。衣装ケース自体は千円ほどしますが、中のカゴや液体肥料を浸み込ませる培養土などは100円ショップのもの。
集合住宅のベランダでも、エアコンの室外機の上に置いておけたり。
準備物や作り方例は下記のページをチェック。
平面型水耕栽培のポイント

硬くて伸びる茎を持たないサニーレタスやほうれん草などの葉物野菜は、茎に相当する部分が成長点を兼ねるような野菜なので、根を固定するのに工夫が必要です。
平面的な作付けを重視した養液栽培プランターですが、広さのある浅い容器に数センチの液体肥料を注ぎます。そこにザル(メッシュのカゴ)のように液肥が進入する網状の枠を利用して、そこに野菜の根を置くような形にします。
ザルを液肥に触れさせることで、ザル自体が茎のある野菜でいう「茎や根の固定ライン」になります。
ザル自体は液体肥料を保水しないため、葉物野菜の根を保持するのに無菌の粒子を苗床に利用するするケースが有効的な栽培スタイル。
平面型プランターの準備品
- 液体肥料の受け皿(衣装ケースなど)
- メッシュのカゴ
- 保水・苗床用の培養土
- 培養土を落とさない網
プランター単体としては上記の材料で水耕栽培プランターになります。
根を定着させる苗床素材について

液体肥料の受け皿に浸した状態で家庭菜園の野菜作りが楽しめる水耕栽培。
養液タンクとなるケースはともかく、野菜の苗や根を固定する方法を考えないと「水草」になってしまいます。
そこで使われるのが「培養土」。
上の写真はバーミキュライトと呼ばれる苦土蛭石で、建設資材や畑の水はけを良くするために使われています。畑の土とは違い、野菜を育てる養分はゼロ。

水耕栽培の場合、伸びていく根は養液タンクの液体肥料に直接漂うので、苗を支えるだけの培養土があれば育ってくれます。

無菌でさらさらした培養土は苗床材としては使いやすいのですが、粒子が細かく散らばりやすいので粒状の保水石(ハイドロボール)を使ってもOK。
使いやすいバーミキュライト
適度な粒のハイドロボール
アイデアで自作する苗床土台

わさわさ作れる葉物野菜には不向きですが、上のような苗がしっかりしている野菜には培養土を使わず、苗の固定土台を作って栽培することもできます。
水耕栽培・水耕栽培プランターのしくみが判っていれば、材料は100円ショップの雑貨を目的に合わせて加工するだけで作れてしまいます。
葉物野菜+平面型プランターの場合は下のように、苗を支えるだけの「培養土」を使うスタイルが一番効率的。

写真の透明コップはサニーレタスや小松菜など、大きく広がる葉物野菜の葉や茎を支える添木。
肥料の奪い合いになる土の栽培と違い、根は液体肥料に浸かっているので、ある程度密集していても養分的には問題ありません。
日光が陰になるほど育った葉っぱから収穫して食べちゃいましょう。
葉物野菜には平面プランター
家庭菜園×水耕栽培 Key Points
- 衣装ケースなどを養液皿にする
- 養液浸透用の培養土を少々
- 100円アイテム大活用
水耕栽培で野菜が育つしくみの理解と葉物野菜に適したプランター形状を解説した知識編ページでした。自作や加工方法などはそれぞれの章で解説しています。