
構造別水耕栽培のタイプ
水耕栽培(ハイドロカルチャー)は家庭菜園レベルでも可能な野菜栽培方法。ここで簡単に水耕栽培の種類について予習してみましょう。水耕栽培と一概に言っても、植物の成長を支える培養プランターにはいくつかのスタイルがあります。
構造がわかれば、水耕栽培の装置・プランターを自分で作ることも簡単にできます。水耕栽培の装置のポイントを自作することを前提に分別して解説します。
エアーポンプ式水耕栽培プランター

水耕栽培・ハイドロカルチャーで一般的なプランターが熱帯魚などの飼育に使われるエアーポンプ(通称:ブクブク)を使った水耕栽培プランター。
エアーポンプを使って空気を送り込んであげれば、全ての水耕栽培プランターが「エアーポンプ式」と言えますが、24時間エアーを送らなくても水耕栽培はできます。
水耕栽培プランターでエアーポンプを用いるのは、植物の根に空気を触れさせるため。
根っこは適度に空気(酸素)に触れさせなければ、窒息して、茶色くなり千切れてしまい、植物全体が枯れていきます。そのため、エアーポンプを稼動させる仕組みの水耕栽培プランターが商品的な栽培スタイルです。
エアポンプ式の長所と短所
ブクブクさせることで水耕栽培ポットの中で液体肥料が循環し、根腐れしないため、野菜の栄養吸収効率は抜群。冷蔵庫やテレビを考えれば電気代は微々たるものではあるものの、ポンプの稼働音が気になるのがデメリット。
給水布式水耕栽培プランター

エアポンプを使わない水耕栽培が失敗するかと言えばそうでもありません。レタスの葉っぱもトマトの苗木もすごい勢いで根から水分(液体肥料)を吸い上げて発散しているので、ある程度大きくなると毎日水をあげる状態になります。
毎日水を入れ替えている状態になるので、酸素不足で窒息している暇がなくなるのです。
給水布(吸水布)は野菜の根が常に湿った状態の布に触れ続けさせるための工夫。ペットボトルの口部分で野菜の苗木を宙ぶらりんにしてあげれば、レタスなどの軽い野菜はブクブクいらずで育てることができます。
トマトは大きく重くなり「宙ぶらりん」状態を維持するのが難しくなるので、別のタイプの水耕栽培プランターに移植することになります。
給水布式水耕栽培の長所と短所
ブクブク不要の水耕栽培構造です。無音でペットボトル等の容器をプランター化できて量産化しやすいタイプ。ただし、巨木化する野菜(ナス科)には向かない。
平面培養土式水耕栽培プランター

給水布(吸水布)を用いる水耕栽培システムプランターの一種で、給水布の代わりに保水力のある無菌の粒子(土)で根を液肥で湿らせた状態にする水耕栽培プラント。
培養土と添え木代わりの透明コップを使い、葉物などの茎の弱い野菜を育てるのに適した水耕栽培スタイル。レタスなどの葉物野菜は太い茎を持っていない上に、葉が柔らかいため、自立しないのでいろいろ工夫してみました。
プランターは基本的に固定タイプ。平面的な空間を確保できる設計思想のプランターです。
以上、水耕栽培プランターの簡単な分類でした。自作方法については別のページで解説しています。
平面培養土式水耕栽培の長所と短所
密閉されていない表面積が大きいので、コケが生えやすい形。給水布式の平面バージョンなので、ブクブク不要。遠浅タイプのため据え置き型で液体肥料水も多めに必要。
液体肥料ハイポニカ
全部作っちゃえば?(^-^)
家庭菜園×水耕栽培 Key Points
- 水没は根腐れするので適度に露出
- ペットボトルは宙ぶらりんにしてる構造
- 給水布の発展版が平面培養土型
一度プランターを作(買)ってしまえば、タネと液体肥料で繰り返し野菜を育てることができます。水耕栽培プランターの構造が判れば100円ショップの商品で数鉢作れちゃいますよ~。